流浪の詩

雪の故郷

監督:齋藤新

1995年作品 15分 ビデオHi-8

脚本・編集・録音:齋藤新 撮影:タニ

ストーリー:
俺はエドワード・チャン。英国秘密情報部MI-6の諜報員だ。中東、フォークランド、東欧、湾岸…国際情勢の変貌の裏には必ず俺がいた。腕利き諜報員として名を馳せたものだが、実を言うと陰では KGBに秘密情報を売って小遣い稼ぎをしていた。それでずっと上手くいっていたのに半年前、香港でMI-6のおとり捜査員にハメられ、国家への反逆罪だかで20年くらっちまった。ところがこないだ突然釈放。釈放の交換条件として俺は、キューバの秘密警察から中共の協力者を装って奪われた秘密情報を買い戻す任務につかされた。裏切りの実績を買われたってわけだ。へっ!!(本編冒頭のモノローグより)

コメント:
不可能を可能にするエディ・チャン・シリーズの記念すべき第1作。 この映画の撮影については当初全く計画していなかった。95年になったばかりのある時、僕は兄妹ものホームドラマ大作「ポン酢の味」の構想を練り、シナリオを書きキャストも揃え、実際3シーンくらい撮影もした。撮影の第二日目、当てにしていたキャストの一人がドタキャンした。ドタキャンとは言ってもスケジュール調整が甘かった僕の責任であって、ドタキャンしたキャストに非はない。だが、とにもかくにも主要キャスト4人のうち3人が揃っており、撮影の予定だけがぽっかりと明いたので、さてどうするかと考えて、ほんの一晩で集まった人間だけで撮影可能な映画のシナリオを考えた。いい機会だから、自分を主役にしよう。ハードボイルドな映画。大好きなスパイもの。大学の校庭を何の手も加えず外国に見立て、敵の役名も開き直って「エリザベータ」「ヘルムート」「カルロス」… 何の野心もなくほとんど暇つぶしで撮ったこの映画は結果として、続編2作が作られる人気シリーズ(山大映研だけ)となってしまうのだった。個人的にもこの作品はわがフィルモグラフィーの中でも最も成功した(?)、愛すべき傑作となっているのである。 ちなみにこの映画、小道具もビデオテープも他の作品のあまりの使いまわしであり、直接制作費は110円である(冒頭でエディ・チャンが飲むコーヒー代)。クランクインからアップまで3時間程度。即日編集して翌日には完成していた。