故郷について

故郷について

監督:齋藤新

2004年作品 24分 ビデオmini-DVスタンダード

脚本・編集・録音:齋藤新 撮影:あゆみ・齋藤新・関さやか

キャスト:イム・ヒョンジョン、有元葉子、関さやか、齋藤新

ストーリー:
人はなぜ故郷に帰りたがるのか?望郷の念は愛より重いのか?一人の外国人女性の視点で描く悲しみの叙情詩。

コメント:
昔から、愛国心とか愛郷心といったものに、何かしらの胡散臭さを感じていた。だからって、そういうのをテーマにした映画が嫌いなわけではなく、むしろ好きだが。
だが、国や社会に裏切られる、あるいは反抗するといった映画はもっと好きである。 学生時代にそんな映画を撮った。大人になった今、単に国や社会を悪者にするのも間違いじゃないかと思い始めた(映画的には間違ってようが正しかろうが面白けりゃいいのだが)。
結局、国も社会も個人の集合であり、国を悪くする最小単位は一人の人間なのだ。 この映画は間違いを犯した人間を冷たく突き放す国、という観点に立ってみた。故郷は希望も安らぎも与えるが、「許し」は決して与えない。ただ沈黙するのみ。
もう一つ言えば、友達に出演してもらうスタイルの行き詰まりを感じていたこの頃、決して上手くはない芝居を違和感なく見せるにはどうしたらいいだろうと考えていた。そして一つの実験として外国人に外国語を喋らせて字幕にするということをやってみた。
発想の源は森田芳光監督が「(ハル)」について語っていた、「世界の誰よりもお前を愛しているという台詞は日本語で聞くとくさいが字幕で読むと自然だ」みたいな発言である。
そういえば私がこの次に撮った「その悩み何バイト?」は「(ハル)」に似たインターネットのコミュニケーションを描いた作品だった。森田監督の影響大だったこの頃である。