春霞

春霞

監督:齋藤新

1995年作品 15分 8mmフィルム

脚本・編集・撮影・録音:齋藤新

ストーリー:
金のためヤクザ幹部を殺した男。彼は追っ手に怯えながら報酬の受け取りまで桜の木の陰に隠れていた。そこに女の子が現れる。精神を病んだ女だが、その純真無垢な心に男は惹かれ癒されていくように感じた。男はその娘とともに遠くに逃げようと思った。二人で小さな店を始めようと思った。

コメント:
ジョン・ウーの影響でスローモーションを作品の随所に入れてきた僕だが、ある時突拍子もないことを考えた。全てがスローモーションの映画を撮ろう。撮ってみてその演出は失敗だったと気づいたが、それでもこの映画は個人的にはかなり気に入っている作品だ。 春の浅い夢の中のような作品世界、完璧にシンクロしている音楽。もともと演技には定評のあったオリカは(シロウトレペルでね)この作品で最高の演技を見せる。 夢を追いかけ掴みかけた男には当然のように死が待っている。そして女は男の死を知らず、知っても多分理解できず、いつまでもはしゃぎながら来るはずのない男を待ち続ける。 失敗作といってもいい映画なのになぜ僕はこの作品を溺愛するのか?わからん。でも好きだ。 ちなみに「春霞」とは俳句の春を表す季語さ。この頃は作品に季節感を求めていた。